

V o l :2001/010
Date:2001/7/3
フランス時間、火曜日午前11時のマレーシア便でクアラルンプールへと向う。去年もそうだが、あと1日でいいからパリに留まりたい気がする。レース後、月曜にパリに移動して、翌火曜日にフライトでは、ろくにパリ見物もできない。マレーシア便が毎日飛んでいないことに原因があるのだが、来年は水曜日発になっていることを祈るしかない。今年はホテルの近くの下町商店街を歩いた、途中ちいさな中華総菜屋を見つけ、店舗の奥の10人ほど座れるテーブルに座り、飲茶となった。久しぶりのシュウマイと春巻きで、ビールも格別なものとなったが、それにしても今年のパリ見物はこれっきり、去年はと言えば、初体験の余郷君を連れて、これもテレビの3倍速のような外観だけのパリ見物だったっけ…。
相変わらず快適なマレーシア航空でクアラルンプールへと向かう、マレーシアには3つの民族が同居し、それぞれ3つの宗教が同居している。民族的にはマレー人・中国人・インド人であるが、それぞれ言語も違えば宗教も違うのだが、英語を共通語として仲良く暮らしている。もちろん結婚は宗教や人種のカベを乗り越えて行われており、人々は穏やかで、相変わらず不正も多いが、おおむね暮らしやすそうだ。日本人と一緒で、人々はあまり笑わず(慣れてくると笑ってくれるが…)一見ぶっきらぼうでコワイ感じもするが、付き合ってみるととても親切である。今回フライトで仲良くなった機内のパーサーたちとクアラルンプールで食事をしたが、とても親切だった、だけどいつの間にかカエルを食ってたり…毎年食中りのハナシを聞くので少し慎重だったりする。
ここのサーキット“セパンF-1サーキット”は施設としては世界有数の、いや世界一かもしれない、素晴らしいサーキットである。コースレイアウトも1コーナーの部分を除いてはチャレンジングでテクニカル、ハイスピードでファンタスティックである。コース幅も広いのでオーバーテイクの誘惑に駆られるし、セーフティゾーンがかなり広く、ブレーキでも壊れない限りほとんどクラッシュはしないだろう。ドライバー達のほとんどが、いいサーキットだと口を揃え、久しぶりのチャレンジングを楽しんでいた。
予選は、ハイスピードサーキットを象徴するように、低重心の国産ターボカーが速く、われわれポルシェ勢は同じチームのタイサン24号車松田選手の6番手が最上位で、僕が7番手、そしてその他のポルシェも全部それ以降に沈んだ。驚くことにトップ、ユニシアジェックス・シルビアとはおよそ3秒の差があり、今年ポルシェに課せられたハンディがそうとう重くのしかかっているようだ。この差はリストリクター径(エンジンの吸気制限)のワンサイズでは埋まるような差ではなく、そのクルマの持つ運動性能も含めてレギュレーション・コントロールの難しさを感じさせる。
ほとんど勝ち目はないといっていいレースではあるが、今シーズンの不調を払拭すべく最大限の努力を胸にスタートした。そろそろ僕自身の干潮期も終わり、もてぎのS耐優勝に続いて、ル・マンでもまずまずの結果が残せて上り調子である。ここでつまらないリタイアなどしようものなら、満ちかけた潮も引いてしまうってもんだ、慎重かつ力強くマシンを走らせる。しばらく走って何台かを抜きポジション“4”、結構イイ出来じゃないの…と思っていたら、トップ争いの1台、APEX−MR-Sがスピンした。これでポジション“3”さすがにトップは見えなくなって行くが、2番手とは10秒以内である。ここが我慢比べだ…、予選を見る限り、本来敵のほうが(クスコ・インプレッサ)1秒以上速いはずなのだが、この暑さでドライバーもクルマもへばって来ているのだろう、ウチは水温対策もバッチリだしクールスーツも新型だから…なんとか喰らい付いていっている感じだ。そうこうしているとスピンから立ち直ったMR-Sが近づいて来た、こちらの方はインプレッサよりももっと速く、ラップ2秒位は速いはずだが、ハンドリング不調からかジワリジワリの追い上げである。そろそろクールスーツの氷も溶けて無くなったようで、ほとんど効きを感じない、(ホントは効いてんのかも知れないが…)車内温度も間違いなく50度は越えているだろう(だって外は35度なんだから)。すでに呼吸は体温を遥かに超え、その呼吸から得られる酸素量もわずかなものにしか感じない。普段はまったくやらない深呼吸をドライブ中何度もやって酸素を体内に送り込む…、こういった強さでは絶対負けてはいけない。
本来は軽く追いつかれるはずの(ヘンな表現だが)MR-Sを何とか振り切って3番手でピットへ、メカは最高の仕事でクルマをコースへ送り出し3番手キープである。相棒の余郷君も懸命のドライブで周回を重ねるが、ニュータイヤを得て、本来の速さを取り戻したMR-Sに先行を許し、(これはしょうがない)4位でフィニッシュした。順位としては平凡な結果ではあるが、マシンの劣勢を考えれば(予選は7位だった)じゅうぶん、グッド・レースだったのではないだろうか、後半戦に向けて、ドライバー的にはとても期待を持たせるレースであった、ただマシンに目を移せば、この劣勢を跳ね返す材料は、今のところまだない…。
〇次回のレースは7/21-22、十勝24時間
(今年タイサンは不参加で、RSオガワのS耐シリーズ戦として参戦します)
〇さらには8/5富士のGT第4戦です、また皆様のご観戦をお待ちしています。
〇また7/7の深夜には、衛星放送の「ガオラ」というチャンネルでナスカーの解説をやります、こちらも見てください。
〇さらに、8/26の鈴鹿1000Kmには今年のルマン車を走らせ、僕はまた、地元小学生をたくさん招待する予定です。
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