

V o l :2000/013
Date:2000/12/4
いよいよ今年も師走を迎えましたが、皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
私のほうはと言えば、GTの最終戦以降いろいろなお祝い事を催して頂いて、大変忙しく、また幸せな毎日を送らせて頂いています。中でも、地元鈴鹿市や出身地である尾鷲市〈いずれも三重県〉の市・広報誌や、新聞各紙の取材を受け紙面を飾るような事は、これまでにない経験でした。このことはル・マンの優勝や、全日本チャンピオン獲得があったことにとどまらず、地元の小学生達をサーキットに招待させて頂いた事が、喜ばれてのことだったようです。子供達も大いに喜んでくれ、また自分達の夢に大いに心を膨らませてくれたことと思います。こういった『モータースポーツにできる社会貢献』といったものについては、今後もできる限りチャレンジしていこうと思っています。
その小学生達の学校で先日、講演をやらせていただきました。講演というものについては、過去に何度か経験はあるし、お喋りは嫌いな方ではないので、少々自信はあったのですが(過去には最大800人の聴衆での経験を持つが…)、小学生を対象に…といったことは初めてで、この難しさは改めて実感させられたことでした。とはいえ今後の僕にはとても必要な技術となってくるであろうこのことは、今後克服しなければならないテーマの一つであることは間違いない事のようです。
さらに先日、JAFの年間表彰式と、横浜タイヤさんの主催するパーティーに出席するために久しぶりに上京しました。JAFの表彰式では、全日本GT300チャンピオンの表彰を受け、横浜タイヤさんでは同チャンピオンと、ル・マンの優勝についてお褒めを頂くことができました。おまけにチーム・オーナーからは記念に腕時計を買っていただき、同夜は、お台場の日航ホテルをご用意頂いた、ほんとにたくさんご褒美を頂いて嬉しい限りです。でもこの部屋ちょっと大きすぎない?夜景は最高だしベッドもでかいしいいんだけど、トイレや洗面は2つもいらないよね…、なんて贅沢なんでしょ、かえって居心地良くない…感じ、寝るのもったいないよ−ぉ!
そう言えば10月の29日に行われた、スーパー耐久の最終戦(菅生)に助っ人として久しぶりに参戦しました。
チームは、山形に本拠を構えるスーパー耐久の老舗チーム『RSオガワ』で、どうやらこの最終戦にチャンピオンが懸かっているらしい。とは言え、とくにピンチヒッターという訳でもなく、レギュラードライバーが都合で出場できないための代打であるが、大変な大役であることは間違いない、急遽の出場でお役に立てるかどうか心配…。
そんな不安をよそに他のチームにとってはそれなりに脅威であるらしく、GTのチャンピオンが助っ人に来たとかで騒いでくれている。こうなったら、あたかも自信があるらしく振舞うのも仕事の一つという事で、努めて威風堂々と…、やりにくいな、こりゃ…。このクラス2でのチャンピオン争いはポイント1位でプーマ・ランサー、そして2番手で我がオガワ・ランサーとなっているが、リーダーのプーマには親友である木下選手が乗っている。親友の邪魔をするつもりはないが、こちらも引き受けた以上…というのもあるし、まあいいレースをという事で『いい加減にして下さいよ−もう!』と言う親友の言葉を尻目にレースはスタートした。
僕はスタートを相棒に任せ後半を担当することになったが、かの親友も後半を走る。予選でトラブったプーマが後方からぐんぐん追い上げ、12〜3周もするとクラストップにいた、『な−んだ全然速いじゃんプーマって』これじゃあちょっと厳しいかな?などと思いつつ僕へドライバーチェンジした。今回は500Kmのレースを1回ピットで乗り切る予定だが、このことはタイヤライフ的にも燃費的にも少々苦しい状況で、お互い無理はできない…。そんな中、僕に交替して3週目だっただろうか、なんとライバルのプーマが最終コーナーの入り口でストップしているのが見えた。その後彼らは2周しても3周しても動き出そうとはせず、なんとガス欠ストップでリタイアしてしまったのである。『ちょっと無理して引っ張りすぎたな…。』かくして、ありがたいことに親友とはパンチの応酬はせずに勝敗は決することになったが、レースが終了する時間のちょっと前に、僕の携帯電話には『いい加減にして下さいよっ−もう、ほんとに怒ってるんですからね!もう…。』と留守電が入っていた、きっともう帰り道なんだろうな、怒ってるぞ−本当に…。この親友とは、できることなら将来一緒に組んでチャンピオンを獲りたいと思っている。
そんなことで、ここでもチャンピオンに立ち会うことができました、地道に、しかも確実に活動を続ける『RSオガワ』、本当におめでとうございます、そしてありがとうございました。このレースを通じてまたひとつ賢くなった、『自信はなくとも、あるフリをする、これも大事な戦法だ…。(笑)』
さて、現在は来シーズンに向けての準備に入っています。と言うのは“毎日トレーニングに明け暮れている”と言った幸せな状況じゃなく、チームの活動予算獲得に奔走しています。世の中の景気は本当に深刻な状態で、引き続きル・マンへの出場は決定し、僕自信も内定はしていますが、チームの台所事情の事と次第によっては、ドライバーよりスポンサーを優先せざるを得ない状況だと言えます。つまりスポンサーを持ちこめるドライバーが優先されると言ったことを意味し、私も決して安泰ではないのです。どなたかお近くに協力して下さるような方がいらっしゃったら、是非ご紹介下さい、よろしくお願い致します。そんな苦しさもありますが、輝かしい来年2001年に向けて頑張りましょう、皆さまにも素晴らしい21世紀の幕開けでありますように…。(合掌)
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